大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1614 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人柳生常治郎の上告趣意について。

しかし、第一審第一回の公判調書には、被告人の供述として「判示自転車を売却

した当時もしかすると盗んだ品物ではないかということを薄々感づいていた」旨の

記載が明らかに存在するから、原判決がこの供述記載を証拠に採つたからといつて、

論旨一点のように虚無の証拠によつて断罪した違法があるとはいえない。それ故論

旨一点は採用できない。

次に、原判決は、右供述記載のほか被告人の原審公判廷における賍物たる情を知

らなかつたと弁疏するほか判示同趣旨の供述並びに被告人が判示自転車をA方に売

却に行つた際Bと偽名しCなる者から依頼されて来たと嘘を云つた事実の供述を証

拠としており、右各証拠その他原判決挙示のAの提出並びに事実始末書と題する書

面中の記載、D提出の還付請書の記載、同人の答申書の記載等の証拠を綜合すると

原判示の事実認定を肯認することができ、その間採証の法則に違反した点を見出す

ことができないから、論旨二点も採用できない。

また、右のごとく原判決挙示の綜合証拠で判示事実認定を肯認することができ、

そして、賍物牙保罪の成立には、被告人が賍物をその賍物たるの情を知りながら、

その売買交換等の仲介周旋をすれば足りるものであつて、必ずしもその賍物の本犯

が何人であるか又は如何なる種類の財産犯罪行為による賍物であるかを明らかにす

るを要するものではないから、原判決の判示は、賍物牙保の判示として欠くるとこ

ろないものというべく、従つて、原判決には所論三点のような違法があるとも認め

ることはできない。

よつて、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

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検察官 小幡勇三郎関与

昭和二七年一一月二七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官沢田竹治郎は、退官したので署名押印ができない。

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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